第1章 ひと組みずつ 7,8

7 この世のものを浄らかだとおもいなして暮らし、(眼などの)感覚を制御せず、食事の節度を知らず、怠けて働かない者は、悪魔にうちひしがれる。−弱い樹木が風に倒されるように。
8 この世のものを不浄であるとおもいなして暮らし、(眼などの)感覚をよく制御し、食事の節度を知り、信念あり、勤めはげむ者は、悪魔にうちひしがれない。−岩山が風にゆるがないように。
 岩波書店ブッダの真理のことば 感興のことば」中村元訳より
 
7,8、対になっているので一気に行きます。
今回は少し難しいです。
「浄らか」「不浄」の部分は自分のことをどう考えているかと言うことです。
自分が浄らかだと思うかどうかの解釈、ここは知識が少しいります。
バッチイかどうかの不浄じゃないんです。
仏教の考え方に「肉体はいつかは滅びるものであり、永遠のものではないことを自覚することによって執着から離れる」という不浄観と言うものがあり、そこから解釈すると、これを知っているかどうか、ということを意味しているのだと思います。
つまり、「この世のもの」=「自分」が永遠かどうかについてどう思っているか、ということ。
そうして解釈すればその後の文章とも繋がりやすく、内容が見えてきます。
よって、超意訳
「みんないつか死ぬってことを覚悟していなくて、欲ばかりのグウタラさんは弱い。」
「人はいつか死ぬ、と覚悟して、欲をかかずに信念を持って勤勉な人は強い。」
ずいぶんわかりやすくなりましたね。
これで6句めの解釈と繋がりました。むしろ広げました。ブッダステキ!