第1章 ひと組みずつ 5

5 実にこの世においては、怨みに報いるに怨みを以てしたならば、ついに怨みの息(や)むことがない。怨みをすててこそ息む。これは永遠の真理である。
岩波書店ブッダの真理のことば 感興のことば」中村元訳より
 
久しぶりに解釈を。
僕の超意訳
「あんた、やられたらやり返すでは終わりがないがな。やられたらそれを忘れれ。そしたら負の連鎖は終わる。これ大事な。」
 
そのまんまですけど、確かに永遠の真理です。
報復や怨みは何も産みません。生じるのは怨みの連鎖だけです。
そもそも、前の句で解釈したように、怨みそのものが自分の受け取り方から生じるもので、その受け取り方の転換の結果安息が訪れるよ、と言う教えです。
仏教には、「無常」という考え方があり、すべての物事は常に変化し、変化しないものなどないと教えます。世はすべてはかないものなのです。
これを知れば、自分がどんな境遇に立とうが、すべては変化していくものの中にあるので、自分の感情は一時的なものであり、考え方次第で転換できると考えます。
ブッダは、自分の教えすら絶対とは言っていません。
イカダにたとえて、川を渡るのに使って、渡ったらすてても良いよ、とさえ言っています。
 
キリスト教では、違う解決を示しています。
絶対的神を設定し、報復や怨みの解決は神が行ってくれるからあなたはしなくて良いよ、と教えています。
全然違って面白いですね。